人間の体を健康的に維持するには、さまざまな栄養素が必要不可欠。そんな栄養素の一つが『カリウム』というミネラルの一種です。じつはこのカリウム、高血圧予防にも効果が高いと注目されているんですよ!
今回の記事では、カリウムの効果や多く含まれる食品などをご紹介します。
カリウムって何?
カリウムは、元素番号19番の元素。人間の体を形作るために必要不可欠な栄養素です。体の中のカリウムの基本的な居場所は細胞の中。
カリウムを口から摂取→小腸で吸収→血液に乗って細胞内液という順番で移動します。
カリウムの効果・効能は?
カリウムの代表的な効果・効能は以下2つです。
高血圧予防
カリウムはいま、健康を維持する方法として注目を集めています。カリウムがなぜ注目されているかと言うと、高血圧予防に効果的だからです。
カリウムは、体の中に余分にある塩分(ナトリウム)を体の外へ排泄するので、血圧を下げることが分かっています。塩分過多で引き起こされる重大な疾患は、高血圧、心疾患、脳疾患などですね。
血中にあるナトリウムの濃度が上がると、細胞外液の水分量が多くなり、細胞が膨れて血管を圧迫してしまうのですが、カリウムの利尿作用によってナトリウムの濃度が上がることを予防し、血圧を正常値に戻す効果が期待できます。
その他にも健康を維持するために重大な役割
カリウムには高血圧予防などのほか、脳への伝達作用や筋肉機能、心機能を正常に維持する役割があるといわれています。つまり、健康を維持していくために、なくてはならない栄養素ということ。健康を意識している方は、積極的に摂取していきたいですね。
カリウムを多く含む食品
カリウムは、動物性、植物性ともに色々な食品に含まれています。特に多く含まれているのが夏野菜で、スイカ、メロン、ズッキーニ、ゴーヤ、キュウリなどです。
また、魚介類ではするめ、くさや、めかじきなど。種実類ではアーモンドや銀杏、藻類ではほしひじき、いわのり、あおさ、豆類では大豆やインゲン豆などに多く含まれています。
この中でも、とくに生鮮食品に多く含まれていて、加工や精製がおこなわれていると、含量は減少することもあります。
カリウムが不足するとどんな悪影響があるの?
カリウムは、さまざまな食品に豊富に含まれているので、バランスの良い食事をしていれば欠乏症になることはほとんどありません。しかし、嘔吐や下痢の症状が出ている場合など、は、カリウムの排泄量が増すことで、欠乏することがありますし、汗っかきで塩分の多い食事を好まれる方もカリウムが不足する傾向にあります。
体の中のカリウムが不足したときの主な症状は、脱力感、食欲不振、筋力低下、骨格筋の麻痺などがあげられます。
カリウムの1日の適切な摂取量は?
厚生労働省における「日本人の食事摂取基準(2015)」では、体内のカリウム平衡を維持するために適正な目安量が設定されています。
■18歳以上の男性・・・1日2,500mg
■18歳以上の女性・・・1日2,000mg
■高血圧予防として18歳以上の男性への推奨量・・・3,000mg、
■高血圧予防として18歳以上の女性への推奨量・・・2,600mg
■世界保健機構(WHO)が2012年に提案した高血圧予防のための摂取量・・・成人で1日に3,510mg
また、腎機能が正常で、食品からだけカリウムを摂取している場合(サプリメントなどを含まない)場合は、通常の食事で過剰にカリウムとるリスクは低いため、耐容上限量の設定は特にありません。
カリウムを摂取するときの注意点
カリウムは水溶性なので、水に溶けやすく、煮たり茹でたりする溶け出してしまいます。そのため、火を使った料理ではなく、生野菜サラダや生の果物として摂取することをオススメします。
また、通常の食事から摂取できるカリウムでは過敏症の心配がないと上の章でご紹介しましたが、腎臓の機能が低下している方は注意しなければなりません。
カリウムは、余分なものがほとんど尿として排泄されますが、腎不全などで腎機能が低下している場合、カリウムがうまく排泄されずに、高カリウム血症になります。高カリウム血症になると、筋収縮の調節が難しくなることで、四肢のしびれや心電図異常などの症状が現れ、重篤な場合には心停止を引き起こすことも考えられます。
腎臓疾患は、加齢とともに衰えるため、高齢者の方がカリウムを積極的に摂取する場合はお医者さんに相談してみましょう。
こんな人におススメ
・味の濃い食べ物が好き
・塩分を多く取ってしまう方
・体調不良で嘔吐や下痢を繰り返している
・汗っかき
・高血圧予防を考えている方
・食事バランスが悪いと感じている方
・食欲不振な方
まとめ
カリウムは、さまざまな食品に含まれているものではありますが、自炊をせずにインスタントや加工食品に頼り過ぎてしまうと欠乏する恐れもあります。「食事バランスが悪いな」と実感している方こそ、積極的に摂取するようにしましょう。
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